「広告費をかけてアクセスは増えたのに、売上が伸びない」
「せっかくサイトに来ても、すぐに離脱されてしまう」
九州・福岡でECサイトを運営する皆様から、よくこんなご相談をいただきます。
商品には自信があるし、写真もきれいに撮った。広告も回している。
それなのに、なぜお客様は「買わずに帰ってしまう」のでしょうか?
実は、多くのECサイトが見落としている致命的な問題があります。
それは、「集客(入り口)」ばかりにお金をかけて、「接客(サイト体験)」がおろそかになっていることです。
想像してみてください。
どんなに大勢のお客様を呼び込んでも、お店の陳列がぐちゃぐちゃで、店員も無愛想、レジの場所もわからない……そんなお店にお客様は長居したいと思うでしょうか?
Webサイトも同じです。
「使いにくい」「探しにくい」「つまらない」と感じた瞬間、お客様は無言でブラウザを閉じ、二度と戻ってきません。これを私たちは「穴の空いたバケツ」と呼んでいます。穴が空いたまま水を注いでも、すべて流れ出てしまうのです。
今、ECサイトに必要なのは、派手な演出や最新のAI技術ではありません。
「迷わせない・飽きさせない・次へ進ませる」という、徹底した「回遊・滞在(体験設計)」の改善です。
本記事では、技術的な難しい言葉を一切使わずに、「お客様が思わず長居してしまい、気づけばカゴに商品を入れている」……そんな“飽きないECサイト”を作るための全ノウハウを公開します。
これを読めば、明日からあなたのサイトの「どこを直せばいいか」が、明確に見えるはずです。
なぜ「回遊」と「滞在」が売上に効くのか
「売上=アクセス数 × 購入率(CVR) × 客単価」
ECの方程式としてよく言われる言葉ですが、この「購入率」を上げるために最も重要なのが「回遊」と「滞在」です。
比較・検討の時間がなければ「納得」できない
お客様は、初めて見た商品を即決で買うことはまずありません。
「他の商品とどう違うの?」「本当に私の悩みを解決してくれるの?」と悩み、比較し、納得して初めて購入ボタンを押します。
つまり、「サイトに長く滞在している」=「深く検討してくれている」ということ。
そして、「いろいろなページを見ている(回遊)」=「自分に合うものを真剣に探している」ということです。
この時間をサイト上で作ってあげないと、お客様はとたんに「他で探そう(Amazonや楽天へ)」と離脱してしまいます。
飽きない体験=派手さではなく“次へ進ませる仕組み”
「体験設計」や「UX」と言うと、動画が動いたりおしゃれなアニメーションがあったりするサイトを想像するかもしれません。
しかし、売れるECサイトにおける「良い体験」とは、もっと地味で実用的なものです。
それは、「ストレスなく、次に進めること」。
- 欲しい商品の絞り込みがサクサクできる
- 詳細ページを読み終わったタイミングで、知りたいQ&Aが出てくる
- 迷っているときに「これと比較されています」と教えてくれる
このように、お客様の心の動き(不安・疑問・興味)を先回りして、適切な「次の行動」を用意してあげること。これが“飽きさせない(途切れさせない)”設計の正体です。
まず直す順番(不安→選びやすさ→気持ちよさ→物語)
やみくもに改修しても効果は出ません。
お客様がサイトでつまずくポイントには順番があるため、改善もその順序で進めるのが鉄則です。
- 【不安の解消】: 何の店か、送料はいくらか、怪しくないか(ヘッダー・フッター・会社概要)
- 【選びやすさ】: 欲しい商品がすぐ見つかるか(一覧ページ・検索・絞り込み)
- 【納得感】: 商品の魅力が伝わり、疑問が解決するか(詳細ページ)
- 【気持ちよさ】: 迷った時に提案があるか、次々見たくなるか(レコメンド・関連商品)
- 【物語】: もっとこのブランドを知りたいと思えるか(体験コンテンツ)
まずは「マイナスをゼロにする(1, 2)」ことから始め、徐々に「プラスを作る(3〜5)」へ進みましょう。
課題別チェックリスト:あなたのサイトはどこが弱い?
ここからは、具体的な課題別に「どこを直すべきか」を解説します。
自社のサイトに当てはまる悩みから、詳細記事(クラスター)へ進んでください。
1. 商品一覧・検索で離脱してしまう
「商品はたくさんあるのに、見られていない気がする」
「検索機能があまり使われていない」
お客様は、欲しい商品がすぐに見つからないと3秒で諦めます。
商品一覧ページでの「絞り込み」や「並び替え」が使いにくいことが原因かもしれません。
2. 商品ページは見られるが、カゴに入らない
「滞在時間が短い」
「詳細ページまでは来るのに、離脱される」
スペック(サイズや価格)だけを並べていませんか?
お客様が知りたいのは「それを使うとどうなるか」。読む順番を変えるだけで、納得感は劇的に変わります。
3. 「ついで買い」がなく、客単価が低い
「1品だけ買って終わってしまう」
「直帰率が高い」
「おすすめ商品」をただ並べるだけでは不十分です。
「これを見ている人はこれも気になっています」という文脈(理由)を作ることで、回遊は自然と生まれます。
4. 価格競争に巻き込まれず、ファンを作りたい
「指名検索を増やしたい」
「リピーターを育てたい」
機能や価格だけの勝負は消耗戦です。
「診断コンテンツ」や「ブランドストーリー」など、買い物がなくても“つい見てしまう”コンテンツが、ファンを育てます。
改善効果の測り方(見るべき指標)
改善を行ったら、必ず数字で答え合わせをしましょう。
見るべき指標は以下の通りです。
- 回遊: PV/セッション(1回の訪問で何ページ見たか)
- 流れ: 次ページへの遷移率(一覧→詳細、詳細→カート)
- 滞在: 平均エンゲージメント時間(単に開いているだけでなく、操作している時間)
- 離脱: エンゲージメントのなかったセッション率(≒直帰率)
「いきなり売上が倍増」を目指すのではなく、まずは「詳細ページへの遷移率が5%上がった」「滞在時間が10秒伸びた」といった小さな変化を積み重ねることが大切です。
最小コストで始める改善ロードマップ
すべてを一気にシステム開発で入れる必要はありません。
今日からできる「小さな改善」から始めましょう。
- フェーズ1(0円〜): 既存の機能で設定を見直す(並び順を変える、関連商品の紐付けを手動で更新する)
- フェーズ2(小規模改修): 写真を追加する、説明文のリライト、バナーの設置
- フェーズ3(システム改修): 検索エンジンの導入、診断コンテンツの開発
まずはフェーズ1・2で「変化の兆し」を掴んでから、予算をかけて改修するのが失敗しないコツです。
まとめ:サイトの穴を塞げば、集客効果は最大化する
回遊と滞在の改善は、地味で根気のいる作業です。
しかし、ここを整えて「穴のないバケツ」にすれば、今までと同じ広告費でも、残る水(売上)の量は確実に増えていきます。
「どこから手を付ければいいかわからない」
「自社のサイトのボトルネックを診断してほしい」
そんなときは、ぜひ専門家の目を借りてください。
BUD.DESIGNでは、現状のサイトの「導線診断」や「UI/UXの簡易レビュー」を行っています。
まずはバケツの穴がどこにあるか、一緒に探してみませんか?